• 　弾性係数は固有の値を持っているわけではなくひずみの値により変化します。
  • ひずみが大きくなると弾性係数は低下します。
  • 地山が緩むと弾性係数が低下することを意味します。
  • 良好な地山は緩みによる弾性係数の低下が大きくなります。
  • ひずみと弾性係数の関係を把握する必要があります。

• 　変形係数の位置づけ
  • 変形係数は安全側ではありますがかなり低い値となります。
  • 変形係数は弾性係数のひずみ依存曲線から大きくはずれます。
  • ボーリング掘進時の種々の影響を受け変化しやすい。
  • 変形係数は極力使用せず、大ひずみ時の弾性係数を求めておくとよいでしょう。

弾性係数のひずみ依存性

QTech

弾性係数はひずみの大きさにより変化します。

• 　試験方法によりひずみの大きさが異なるので弾性係数の値は一様でない。
  • ＰＳ検層のひずみは１０^-6オーダーです。
  • 室内試験のひずみは10^-4〜10^-3オーダーです。
  • 孔内載荷試験のひずみは10^-3〜10^-2オーダーです。
  • 従来の動弾性係数、静弾性係数の区別は単にひずみの大きさが異なるだけで「動」、「静」という言葉に大きな意味はありません。
  • 施工現場で生じるひずみレベルに対応した弾性係数を求める必要があります。

• 　施工時のひずみは過去の動態観測結果を参考にする。
  • 切土施工時に生じるひずみは１０^-4オーダーです。
  • 盛土施工時に生じるひずみは10^-3オーダーです。
  • トンネル施工時に生じるひずみは10^-3〜10^-2オーダーです。

弾性係数とひずみの関係

　　　　　　ひずみレベル毎の弾性係数分布
ひずみが大きくなると弾性係数が低下しています。

　　　　　　岩級区分と弾性係数との関係
ひずみ１×10^-2時の弾性係数の分布です。
変形係数に比較しバラツキが小さくなりました。

　　　　　　岩級区分と変形係数との関係
変形係数はボーリング掘削時の人為的要素に影響されやすいのでバラツキが大きくなります。
（無水掘り、試験を掘進直後に実施したか否かetc

弾性係数（Ｅ）とひずみ（ε）の関係を累乗関数で表すと　 Ｅ＝Ａ・ε^B となり平均的な係数は右表のようになります。

　　　　　変形係数算出時のひずみ分布
変形係数算出時のひずみ量は岩級区分（風化程度）により異なります。
Ｄ級岩盤では５％程度のひずみとなることもあり、変形係数はかなり低い値となってしまいます。