埼玉県秩父市黒谷　（マピオン地図へ）

秩父盆地第三系の東縁を区切る「出牛−黒谷構造線」沿いに自然銅が産出したようです。
秩父系のチャート、緑色岩類と第三系の基底礫岩が断層で接しています。
断層破砕帯は幅１ｍほどのガウジを伴い、断層露頭としては教科書的な見事なものです。
30数年前に訪れた時には薄暗い沢の一角で、案内表示など何もありませんでした。現在は立派なモニュメントがあり、林道や見学コースも整備されています。

出牛・黒谷構造線の露頭。山の上から見下ろした写真であり、上盤が秩父帯のチャート、下盤が第三系の礫岩。
断層破砕帯は著しく粘土化している。

→
断層を下から見上げた写真。左側が秩父帯のチャート、右側が第三系の礫岩。

↑断層破砕帯の状況。

←第三系の礫岩に含まれる石灰藻の化石。
　石灰質の藻類で、礫を核として周囲に成長しサンゴのように礁をつくる。
　学名：Archaeolithothamnium sp （アーケオリソサムニウム）
　沢底の転石や礫岩の露頭に無数に含まれている。